岡山県笠岡市にある笠岡事業所は、電力と二酸化炭素・熱を隣接する農業用のガラスハウスに送り込む最先端のバイオマス発電プラントの運転・維持管理を担っています。施設を所有される株式会社サラ様より委託を受け誕生した笠岡事業所を率いる所長のT.Kさんに、新たな挑戦への取り組みとやりがいについて語ってもらいました。

バイオマス発電プラントでクリーンエネルギーを生みだす

―――現在所長を務められている笠岡事業所の業務内容について教えてください。

笠岡事業所は、木材等のバイオマス燃料をボイラーで燃焼させ、発生した蒸気を利用して発電した電力を隣接するガラスハウス等、施設全体に供給しています。さらに、電力だけでなく、バイオマス発電プラント稼働の過程で発生する二酸化炭素と熱を安定的にガラスハウスへ供給することも行っています。燃焼させる木質等は、周辺地域の一般木材を利用したり、PKS(パームやしがら)など従来廃棄していたバイオマスを燃料として輸入して利用しています。

委託者である株式会社サラ様はこの発電事業とともに、野菜の生産・販売事業を行っています。施設内で消費される電力以外は売却し、二酸化炭素と熱は野菜の育成に利用され、通年を通して美味しい野菜を安定的に供給されているのです。

※『株式会社サラ様の会社概要については、本文の下部に記載』

―――タクマテクノスは一般廃棄物処理を行う施設の運営を主要な事業としていますが、木材を燃焼させるノウハウもあったのでしょうか?

事業をスタートさせた当初は、木材等を燃やして二酸化炭素を抽出するノウハウはありませんでした。事前の計画ではある程度の予測はできていたのですが、実際に入ってくる木材等は予定通りのものになるとは限らなかったため、燃やしてみないと分からないことも少なくありませんでした。

木材の種類によって粘り気や水分量などに違いがあり、また同じ木でも枝や皮によって特徴が変わることもあります。木の種類や部材の割合次第で木材等の攪拌しやすさが大きく変わりますので、効率的に燃やせる比率や量のデータを蓄積するまでに、3年ほどの時間を要しました。

今では十分なノウハウを構築できましたので、多少性状にばらつきがある燃料が入ってきても、安定したプラントの運転が可能となっています。

クライアントと社会への貢献が仕事の喜びになる

―――笠岡事業所の所長になるまでの経緯を教えてください。

タクマテクノスへの入社は27歳のときです。知人から、タクマテクノスが静岡県の施設の運転管理に携わるという話を聞き、一度は生まれ故郷の広島県から出てみようと思い入社しました。4年ほど静岡県の事業所で働いた後、家庭の事情で広島県の事業所へ異動し、さらに4年半後に西日本支社の技術課で新しい施設の計画に従事しました。

その後技術課で計画に携わっていた兵庫県の事業所で副所長を務め、再び広島県の事業所へ戻った1年後に現在の笠岡事業所の所長の話をいただき、笠岡事業所立ち上げから5年ほどが経ち今に至ります。

―――非常に異動の回数が多く、また計画に多く関わってこられました。このキャリアはタクマテクノスでは一般的なのでしょうか。

私の異動の回数は非常に多い方だと思います。ただし、技術課での計画業務や、各事業所ごとに異なる運営業務で、管理側、現場側双方で経験を積むことができましたので、笠岡事業所の立ち上げの良い経験になったと思います。

―――笠岡事業所の所長として、どのようなやりがいや手応えを感じていますか?

良い意味でとても自由にやらせていただいています。設備の運用や人員配置について管理者に許可を求めても、前向きな挑戦であれば基本的にNGになることはありません。タクマテクノスとして十分な知見が蓄積できていない領域なので、前例をつくるという意味も含まれているかもしれませんが、私たちを信頼して任せてくれているのはとてもありがたいです。

また、株式会社サラ様の企業理念の実現に貢献できている点もやりがいを感じております。株式会社サラ様が目指す食料の安定供給を実現するためには、本バイオマス発電プラントの安定稼働が必要不可欠です。私たちの安定した施設運営がサラ様の事業に貢献し、たくさんの一般家庭への食の安全・充実にも繋がっていることは、タクマテクノスの業務のうちでは今まで経験したことがなく大きなやりがいに繋がっています。

チャレンジ歓迎。前を見ながら粘り強く頑張れる方がチャンスを掴む。

―――現在タクマテクノスで活躍されている方の特徴を教えてください。

この笠岡事業所は非常にチャレンジ精神旺盛な方が多くおります。現場から「あれをやってみたい」「これにチャレンジしてみたい」という声をもらうことも珍しくありません。タクマテクノスでは事業所施設に応じて、さまざまな資格を取得できるので、やはり積極的にチャレンジしていく方が活躍しています。例えば笠岡事業所では「1級・2級ボイラー技士」といった資格等を取得する事も出来ます。

―――笠岡事業所の現場で働かれている所員は、どのようなところにやりがいを感じているのでしょうか。

何かしらの問題が発生した際に、原因を突き止め速やかに安定運転に復旧できたときはとても達成感があります。運転管理には大なり小なり何かしらのトラブルは付き物ですが、事業所内は温和で気配りができる方が多いので、有事の際にはひとりで解決するのではなく、互いに支え合いトラブルの解決に取り組みます。

また、そういった困難を乗り越える事によって私たちの経験や技術力が磨かれ、自身のスキルアップにも繋がります。それもまたやりがいのひとつです。

―――どのような方にタクマテクノスに入社して欲しいと思いますか?

前向きに物事に取り組める方ほど、タクマテクノスで活躍できると思っています。実際に活躍している方の多くも前向きな方々ですので、お互いに切磋琢磨しながら成長できるのではないでしょうか。私自身もスタッフに負けないよう、先を見据えながら働かなければならないと刺激をもらっています。

タクマテクノスは現場での懇切丁寧な指導や資格取得の支援など、社員の成長を強く後押ししています。仕事ですので大変なときもありますが「仕事をさせられている」から「仕事をしている」に変わると、毎日がとても楽しくなります。ぜひ粘り強く前向きに頑張れる方にタクマテクノスで活躍して欲しいです。

株式会社サラ様について

この度、タクマテクノスへ運転管理業務を委託していただいた株式会社サラ様は、安心して食べられる美味しい野菜を、一年を通して安定的に届けること、生産者・販売者・消費者にとってリーズナブルで持続可能な関係を実現し『アジアにおける未来の野菜カンパニー』となることを目指されている企業です。岡山県笠岡湾の広大な干拓地に、国内最大規模となる13.0haの半閉鎖型グリーンハウスを用いた屋内栽培とバイオマス発電プラントを組み合わせた世界最先端の施設園芸事業を推進し、美味しく、新鮮で、安全・安心なプラムトマト、パプリカ、リーフレタスの栽培と出荷を行っています。

エネルギー事業

2018年よりバイオマス発電プラントを建設・運営を行う。つくられる電力・熱・二酸化炭素を併設する事務所やグリーンハウスへ供給し施設運営に活用。余剰電力については電力会社を通じ地域のエネルギーとして活用されております。

野菜事業

最先端のテクノロジーが導入されたグリーンハウスに、”晴れの国おかやま”の豊富な日射量と化石燃料を使わない環境に配慮したエネルギーで野菜の栽培を行う。栽培された野菜は全国各地に出荷され皆様の食卓を彩ります。

笠岡市は、岡山県の南西部にあります。瀬戸内海に面し、広大な平地と31の島々からなる、豊かな海産物が魅力の町です。 
平坦な干拓地と豊富な日射量・水源により野菜の栽培に適した環境です。